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浪花家総本店のたい焼き #5

東京で「サクッ」「パリッ」「ホクッ」の三拍子を楽しみたいなら、浪花家総本店のたい焼きにかぶりつくのが正解です。まるで秋の落ち葉のようにパリパリに焼かれた皮の中には、あつあつの自家製あんこがぎっしり。しかも形は魚。そう、幸運を呼ぶ鯛のかたちです。

浪花家総本店はただの甘味処ではありません。ここはたい焼き発祥の地。1909年に麻布十番で創業し、「今川焼きにちょっとした遊び心を」と、初代が鯛の型に生地を流し込み、甘い小豆あんを詰めて焼いたのが始まり。縁起の良い鯛のかたちにしたことで、たい焼きという新しいお菓子文化が誕生しました。

それから100年以上、浪花家のたい焼きは一貫して手作り。生地は薄く、ふちの部分までパリッと香ばしく焼かれ、中のあんこは甘さ控えめで絶妙なバランス。焼きたてをひと口頬張れば、気づけば笑顔。たいていは尻尾から食べてしまうけれど、それもまた良し。

お店の雰囲気もどこか昭和の香りが漂い、派手さはないものの、戦争も、スイーツブームも、世界的ドーナツ旋風も乗り越えてきた風格があります。小さなカウンターに数席、そして店先にはいつも人だかり。たい焼きが焼かれていく様子を見るのもまた一興です。

地元の人はもちろん、観光客も香りに誘われてやって来ます。そしてみんな、たい焼き一匹でちょっと幸せになります。笑顔の鯛型スナックなんて、それだけでもう縁起がいい。

もし東京を訪れる機会があるなら、浪花家総本店のたい焼きは外せません。鯛の形をした甘い歴史をひと口味わえば、あなたの一日もきっとご機嫌に泳ぎ出すはずです。

浪花家総本店
日本、〒106-0045 東京都港区麻布十番1丁目8−14
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