名古屋の春には桜、黄金の陽ざし、そしてホップの香りが漂う。そしてその香りの先にあるのが、毎年恒例の「ベルギービールウィークエンド」。ベルギーのビール、心を満たすグルメ、そして陽気な雰囲気が名古屋・栄の中心で楽しめるイベントだ。今年は4月23日から5月5日まで開催され、市内がビール好き、ゆるく楽しみたい人、そして食への探求心あふれる人たちのための泡だらけの遊び場になる。
会場は久屋大通公園。そこには約100種類ものベルギービールが集結する。軽やかなブロンドビールや深みのあるダブル、フルーティーなランビック、そして複雑で力強いトラピストビールまで、ビールの冒険がピクニックのように楽しめる。空の下、長いテーブルで知らない人と乾杯を交わしながら、チューリップ型のグラスに注がれた一杯を味わう。
ビールのラインナップは、まるでベルギーを旅するような感覚。シトラス香るホワイトビールから始まり、モルティなブラウンエールへ、そして日が沈む前にはスパイシーなトリペルにどっぷり。初心者でも楽しめるように、テイスティングセットやガイドも用意されており、キャッシュレスのトークンシステムでスムーズに購入できるのも魅力。
もちろん、このイベントはビールだけではない。飲み物と料理の完璧なペアリングを体験できるのが醍醐味。会場周辺にはさまざまな屋台が立ち並び、厚切りのベルギーフリッツにクリーミーなアイオリ、グリルソーセージと粒マスタード、デザートでもあり主食でもあるベルギーワッフルなどが並ぶ。ヨーロッパから直輸入されたチーズもあり、とろけるトーストに添えたり、重厚なビールと合わせて楽しめる。
会場には音楽も流れ、風味にリズムが加わる。ジャズ、ファンク、エレクトロポップなど、国内外のアーティストによるライブが毎日開催され、ビールと音楽が絶妙に調和する。立ち止まって踊ったり、気づけば隣の人と肩を並べてリズムに揺れたり。そこにいるだけで楽しくなってくる。
オクトーバーフェストのような賑やかさはなく、ヨーロッパの路地市のような温かさと穏やかさが漂うこのイベント。名古屋の地元民、観光客、仕事帰りのビジネスパーソン、そして毎年これを目的に訪れるビール通が一堂に集まる。
ベルギービール初心者にも、すでにファンの人にも、それぞれの楽しみ方がある。日本を飛び出したような味の世界を、春の空の下で体験する絶好のチャンスだ。
名古屋のベルギービールウィークエンドは、ビールがカジュアルでも奥深いものになれること、美味しい一杯には美味しい一皿が必要なこと、そして文化の交流は泡立つグラスから始まることを教えてくれる。乾杯、そしてサンテ。